地底海に眠る

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痩せている=健康って本当?実は怖い栄養不足の話

ダイエット情報が溢れかえり、「痩せている=健康である」という認識が当たり前になっている世の中ですが、実は栄養失調による極度の痩せは様々な健康へのリスクがあり非常に危険であることをご存じでしょうか?今日は栄養失調がもたらすリスクについてお話ししようと思います。

 

①認知機能の低下

千葉大学の研究では、痩せている人は標準体重に比べて最大72%認知症になりやすいとの報告がされています。

・日本老年学的評価研究のコホートデータでは、脂質異常症を持たない標準体重の男性と比較して、脂質異常症を持つ痩せた男性のHRが4.15。高血圧症を持たない標準体重の女性と比較して高血圧症を持つ痩せた女性のHRが3.79と、認知症発症リスクが有意に高かったことが示されています。

アメリカの60歳以上を対象とした調査では、BMIが5%増加した人だけでなく5%低下した人においても、BMIの変動が5%以内だった人に比較して認知機能が64%も低下しているそう。

新潟大学コホート研究では、男性の場合BMIが高いほど認知症リスクが低く、女性の場合U字型の関連が認められ、高普通体重群に比較して低体重~低普通体重群及び肥満は認知症リスクが有意に高かったと報告している。

 

②骨密度低下

BMIが低い女性は骨密度も低い傾向があり、長生きしやすい女性は高齢者になった時に骨折するリスクが高く、寝たきりリスクを高める可能性があります。寝たきり患者は女性が多いそうです。

 

③婦人科系の様々なリスク

子宮内膜症発症リスクが高い

不妊、流産リスクが高い

・低体重児の出産リスクが高い

・月経不順、月経異常、無月経排卵障害リスク

・隠れ貧血

 

④死亡リスク

死亡リスクのグラフで一目瞭然なのですが、男性女性共にBMI19以下の死亡リスクはBMI30以上の肥満と比較しても有意に高い。

最も死亡リスクが低いのはBMI21~26の範囲内です。

 

⑥病気の発症リスク及び予後の悪さ

順天堂大学の研究グループでは食後高血糖(耐糖能異常)の比率が痩せた若年女性に顕著に高いことを明らかにしています。糖尿病というと肥満の生活習慣病というイメージが強いですが、肥満が少なく痩せた女性の多い日本においては痩せもまた糖尿病リスクが顕著に高いということが分かっています。

最近は糖質制限ダイエットが流行していますが、高脂肪食のダイエットはリピッドスピルオーバー(血中の遊離脂肪酸量増加)によりインスリン抵抗性をもたらし、痩せていても糖尿病リスクを高めます。

また、免疫力の低下による癌の発症リスクについても指摘されています。

そして筋力量や脂肪の著しく少ない瘦せ型の人は免疫力の低下から、感染症などの感染リスクが高く、病気の回復も悪い。

 

⑤知能の低下

エニグマ摂食障害研究グループは世界22か所の拒食症女性と健康的な体重の女性の脳のMRI画像を解析し、低体重女性の脳の皮質体積・皮質面積が著しく減少していることを指摘。これは統合失調症鬱病強迫性障害などこれまでに調査した精神疾患の中で最も大きい変化だったそう。

栄養失調による脳の萎縮はMRI画像ではっきりと分かるほどの皮質量の低下をもたらし、それは知能の低下を示しているとのこと。しかし栄養をとって標準体重に戻ることで皮質量は回復するそうです。

 

まとめ

世界においては太りすぎが社会問題となっていて、肥満対策が大きな課題となっていますが、肥満比率を国ごとに比較したグラフを見ると、欧米諸国に比較して日本や韓国は肥満比率が如実に低いことが分かります。

もちろん肥満は良くないというのも事実なのですが、BMI基準での肥満というのはBMI25以上、欧米ではBMI30以上というのが基準です。例えば身長160㎝体重64㎏でBMI25。身長160cm体重77㎏でBMI30です。

ところが日本の特に女性の場合、「痩せている」というと、身長160cmで体重48㎏以下(BMI18)、「ぽっちゃり」というと身長160cmで体重54㎏(BMI21)以上くらいの感覚で、「普通」という感覚がすっぽり失念されているように思います。芸能人やモデルさんのような痩せた女性がメディアに溢れている為に、感覚がバグってしまっているのではないでしょうか。

これまでにお話しして来たとおり、BMI19以下の過度の痩せはむしろ肥満よりも不健康であり、最も健康であるとされる標準体重とはBMI21~24の範囲内です。身長160cmでは体重54㎏~63㎏くらいです。

日本の社会問題として、「出生率の低下(少子高齢化)」では子供が欲しい女性の不妊リスクや産婦人科系リスクは無視できない大きな問題だと思いますし、また政府は認知症を国家の課題として対策を推進しています。

外国に比較して肥満率が低く、痩せた女性の多い日本においては、むしろ痩せによる健康被害リスクの周知こそが必要なのではないでしょうか?

特に気を付けるべきなのが「栄養失調」と「運動不足」による筋力低下や骨密度低下です。栄養バランスよくきちんと食べて、運動習慣をつけることが大切ではないでしょうか?