地底海に眠る

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告げ口が嫌われる理由

「あの人があなたのこと、こんな風に言ってたよ」と、誰かの陰口を当人に伝えることは、どうやら人からとても嫌がられる行為のようです。

先日アドラー心理学の本を読んでいたところ、表面上はいい人間の顔をしながら裏では陰口をたたきまくるヤバい人がいて、自分も同じ様に悪口を言われているのではないかとノイローゼ状態になりその人が悪口ババアであることをみんなに訴えたら、むしろ自分が非難されてもうどうしたらいいのかわからないという患者さんの話をみかけ、人間って昔から変わらないんだな~と微妙な気持ちになりました。

今日はそんなことについて色々考えてみたいと思います笑

仮想敵を作り出すことで親密性を高めようとする

これは大前提として、人の悪口、陰口ばかり言ってる人って頭おかしいのは明らかな事実だと思うんですよね。

普通に考えたら関係性のある人とはうまくやっていこうという心理が働くので、なるべく友好的に、なるべく穏便に済ませるのが普通の心理であり、問題が起きたら相手に伝えて歩み寄り関係性を良くしたり、あまりにも合わないのであればストレスがかからないところまで距離をとればいいだけのことです。

そして普通の多くの人は、人の悪口を聞くのも、人の悪口を言うのも強いストレスを感じますから、先のアドラー心理学の本に出てきた人のように精神的にまいってしまう人も少なくないと思います。

ところが人の悪口・陰口を言いまくる人というのは、それがひとつのイベント、アトラクションとなってしまっている。誰かと悪口や悪事などを共に体験し、共通の仮想敵をつくりあげ、一緒に「敵をやっつけた」という感覚、その秘密を共有することが、親密性を高める手段になっているのです。

不倫関係などでもよくみられるパターンなのですが、配偶者を共通の敵として、既婚者とその不倫相手が「共通の敵と戦う仲間」という仲間意識を高め、秘密の共有をすることでより親密さが増すんですよね。

最近世間を賑わせた不倫騒動でも「あいつは抹殺された方がいい」というような発言がありましたよね。配偶者との問題があるなら話し合って離婚すればいいだけのことで、実際には配偶者を裏切ったり順序を間違えているのは自分たちなのですが、主観的には「配偶者が悪いからやってもいい」という自己正当化をしています。

こういう人たちは被害者意識や自己憐憫、自己正当化を共有し、仮想敵と共に戦う唯一の仲間になっていますから、普通の状態よりも絆が深まる関係性になりやすいです。まあ何年かしたらいがみ合うようになりまた不倫を繰り返すパターンが殆どですけどね。

そもそも他害行為や逸脱行為というのに愉悦するのは持って生まれた先天的な気質の要素が非常に強いのですが、そういう素養の強い人は、誰かと仲良くなる手段として「仮想敵」を作り上げてそれを攻撃することで他者と絆を深めようとする性質があるということを、まず大前提として指摘しておきたいと思います。

そして他人を変えることは出来ませんから、そういう人を見かけたらなるべく関わらない(自分の情報を出来る限り与えない)ようにするしかありません。

他人の課題に踏み込み過ぎない

自分がそういう人を見かけたときにどう思うか、どう対応するかというのは自分自身の課題ですが、誰かに自分と同じように感じて欲しい、同じように対応して欲しいと求めるのは「他人の課題」への過干渉になってしまいます。

自分はこう思うからこうします、と説明することは出来たとしても、相手がそう思わない、そうしないという権利は当然ありますので。自分に出来ることはここまで、という線引きが必要です。

自分に被害が及ばなければそれで構わない、孤独を嫌がりなるべく多くの人と関わりを持ち、出来る限り人と関係を切ることはしないという人が殆どですから、相手の欠点を大げさに捉えて関係性を絶とうとする人の方が実は嫌がられます。

群れるタイプの人にとっては、不快や攻撃性があったとしても「群れること自体」にこそ意味があります。不快であれば距離を取るという選択をする人は少数派です。一人で生きていけないと感じている人にとっては、群れから弾かれることは生きる上で大きな不安でありストレスとなるからです。

告げ口を聞かされた側はプライドが傷つけられる

「あの人があなたのことをこう言っていた」と聞かされると、多くの人は群れから弾かれるのではないかという強い不安感と同時に、恥をかかされたと感じてプライドが傷つけられます。

大抵の人は自分のことを皆に好かれていて人気者だと思いたい心理があると思いますが、実は裏で悪口を言われていると指摘されることは甚く自尊心が傷つけられてしまうのです。もしもそれを伝えた人がそんな意図は毛頭無かったとしても、言われた側にしてみれば、告げ口をしてきた人が「自分の尊厳を傷つけてきた」「馬鹿にされた」と感じてしまうのです。

なので例え悪口や陰口を聞き及んだとしても、それを当人に面と向かって伝えるのはやめておいた方が無難です。

そもそも悪口人間と気が合う時点で同類の可能性が高いです。どんなに表面上取り繕っても人間性というのはそうそうごまかせるものではありません。彼らにとって重要なのは「群れから弾かれないこと」であって、人として正しいかとか悪いかというような価値観ではない可能性が高いのです。

暴力的な人間を「強い」と認識し、強い者に気に入られて守ってもらいたいという心理

グループ内虐め等、学校や職場などでは、明らかに狂暴で攻撃性が高い問題のある人間に、周りが追従したり媚びたりして、ますます学校や職場の状態が悪くなるという悪循環が多々見られます。

それは多くの人が倫理観を持っておらず、暴力的な人間を恐れてその人間と対立することを避けようとし、また、上手く取り入ることで何かあれば守ってもらえるかもしれないという下心が働くからです。

また、孤立することを非常に恐れていて、視野狭窄に陥り、その集団の中にいること以外に選択肢は無いと思い込んでしまっていることが多々あります。

世界が狭く孤立を恐れる心理が強い人ほど、悪い環境、悪い相手であっても群れようとし、その結果生き難さがより強まる悪循環に陥りやすいのです。

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人生は有限

「〇〇さんがあなたの悪口を言っていたよ」と告げ口する必要性は全く無く、むしろ嫌われてしまう可能性の方が高いです。

理由は彼らは「群れから弾かれること」を強く恐れていて、かつ自分が嫌われていることを指摘されるとプライドが傷つけられるからです。

余計なことはせず、何も言わずその群れから距離をとるのが一番賢いと思います。

人の人生に与えられた時間は有限です。

限りある時間を自分の居心地が悪い人たちに費やすのはもったいないですから、自分が信頼できる人たちと過ごすことや、自分自身の人生を充実させるために使いましょう。